老人ホームの紹介業者を選ぶ際は手数料の仕組みを考慮しつつ一覧をチェックしよう

家族を老人ホームに入居させる事になった時は、少しでも快適に暮らせるよう様々なポイントをチェックしなければいけません。しかし、初めて利用する場合は何かと見落としてしまう事もあります。こんな時に便利なのが老人ホームの紹介業者です。

プロの目線で利用者に合った施設を探してくれるため、家族の負担を減らせるといったメリットもあるのです。

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老人ホームの紹介業者とは?

老人ホームの紹介業者とは利用者と施設の間に入って両者の橋渡しをする、いわばお世話係のような存在です。

利用者に施設を紹介して報酬を得ている訳ですから、素人では調べきれないような内容まで把握しています。情報収集のために担当エリアの老人ホームに足繁く通い、施設長やスタッフとも積極的に話をしていきます。特に施設長の存在は大きく、性格や話し方によって施設自体の雰囲気やサービス内容も違ってくるので、施設長が交代した際も人柄を見極めるためコミュニケーションを取りにいきます。

またサービスの質も年々落ちてしまうケースもあるため、入居者に提供される食事を食べるなどして定期的なチェックも行います。利用者やその家族にサービス内容や料金体系などを伝えるだけではなく、利用する現時点の情報を提供できるよう日々奮闘しています。

紹介業者の見極めポイント、利用者家族の話をしっかり聞いてくれるか?

老人ホームの紹介業者を利用する場合、まず大切なのが利用者やその家族の話を聞いて意向を汲み取ってくれるか?という点です。

そもそも老人ホームを利用した事がない家族にとっては未知の世界で、どのようなサービスが受けられるのか、どんな生活をしていくのかなど様々な不安を感じるものです。特に利用者が在宅介護を望んでいたものの、やむを得ず入居の選択をせざる負えなくなった場合は、なるべくストレスを感じずに過ごして欲しいと願うのも当然の事です。

ちなみに老人ホーム選びの際に利用者家族が気になるのは、立地やサービス内容、医療体制、経営状況などになります。家族が面会に通いやすい場所であるか、食事の内容や個室の広さ、騒音の有無、体調を崩した時はどのように対処をしてくれるのか、安心して預けられる経営状態なのかなど、知っておきたい情報は山ほどあるのです。

そんな不安を解消すべく、紹介業者は家族の要望をしっかりヒアリングした上で最適な施設を紹介しなければいけません。一生懸命話をしたけれど、紹介された施設が希望に合っていないような場合だと、真摯に向き合ってくれているとは言えません。

逆に既往症や持病はもちろん、趣味や特技、過去の職歴なども聞いて、より深く利用者の事を知ろうという姿勢を見せてくれる業者は安心感が持てます。利用者にとって最適なサービスが受けられるよう、収集してきた情報を最大限に活かしてピッタリの施設を紹介してくれます。

紹介業者の見極めポイント、見学に同行してくれるか?

老人ホームを探す時、資料を取り寄せるだけでは意味がありません。しっかり自分の目で見て、施設やスタッフの雰囲気を確認しておく事も大切なのです。これは利用者家族が自分達で施設を探す場合だけではなく、業者から紹介された時も同じです。

紹介業者が見学に同行して貰えると、何か疑問に思った時に聞きにくいような内容も、業者を通して質問する事が出来ます。さらに仲介役を担ってくれるので、施設側と話をしやすい雰囲気も作ってくれるのです。またプロの目線は厳しく、すれ違った時のスタッフの対応や、目が届きにくい場所のお手入れなども瞬時にチェックして施設の良し悪しを判断します。

見学の際にサービスの質や施設の雰囲気で不審に思う点があれば、その時点で別の施設に切り替えて貰う事も可能です。これは一緒に見学に行くからこそ出来るサービスなのです。一方、見学の同行を要望していても、「そのようなサービスは行っていません」と資料だけを手渡しするような業者は要注意です。

無駄な仕事をしたくないという意思の表れで、実は紹介した施設の事もよく把握していない可能性があります。

紹介業者の見極めポイント、マイナス面の説明もしてくれるか?

紹介業者が老人ホームを紹介してくれる時、基本的には良い部分をアピールする事が多いです。ただどれだけ評判の良い施設であっても、何かしらマイナスポイントになる部分はあります。

利用し始めてからマイナス面を知ると、「最初に説明して貰えなかった」と良い気持ちはしません。良い部分だけではなく、良くない部分も知っておきたいのは利用者側の本音で、それを正直に伝えてくれるのは誠実な業者と言えます。

口八丁手八丁に良い事ばかりアピールしてくる業者は何も利用者の事を考えていない、または何か裏があると考えても良いかもしれません。

仲介手数料の仕組みも知っておこう

紹介業者が利用者やその家族に自信をもって最適な老人ホームの紹介が出来るのは、施設への見学を繰り返し、施設長やスタッフとコミュニケーションをとって情報を集めてきているからです。

しかも施設の紹介は無料で行われます。施設を利用する側から料金を徴収するのが自然ですが、このサービスを無料で提供できるのは、施設側から仲介手数料を受け取っているからです。事前に業者と施設間で提携を結んでおり、誰か1人でも入居が決まる度に施設から業者にお金が支払われるという仕組みになっています。

利用する側は無料でサービスが受けられる訳ですからお得な印象も受けますが、少し注意しなければいけない点でもあります。業者は受け取った手数料が収益になるので、利用者を紹介した施設に早く入居させたいという思いも働きます。

また時に施設側がキャンペーンを行い、普段より手数料をアップさせる事もありますが、この報酬の上乗せ期間に早く入居を決めて欲しいと利用者家族を焦らせてくるケースもあるのです。もちろん利用者側が納得して入居を決断すれば問題ないのですが、半ば強制的に入居を決めさせられた場合は、後々後悔する事にも成り兼ねません。

高齢化に伴い、様々な介護事業が立ち上がってきていますが、実は老人ホーム紹介業もそれほど歴史がある訳ではありません。特に資格が無くても始められる仕事だけに、中には利用者が求めているサービスの質に届いていない業者も含まれるのです。

紹介業者を選ぶ際は、まず一覧でどんな業者があるかチェックし、気になる業者は口コミや評判などでサービス内容を把握していきます。施設側と業者の関係性を知る事は出来ませんが、それは紹介業者のサービスの質や仕事への取り組みから見極めていくしか方法はありません。